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フットストレッチャーの良い点・悪い点

この記事は、バレエ指導者からもらった一通のメールに返信する為に書いたものでした。今回の記事は、クリニックに訪れる多くのダンサーや患者さんからも尋ねられる”フットストレッチャー”に関して綴ります。

毎年の年始めに、生徒は指導者達を関心させようと、張り切りってスタジオへやってきます。それは新しいバレエ教室に入ったからなのか、今年こそはトウシューズが履きたいからなのか、バレエ団へのオーディションを受けたいのか、プロになりたいのか等.....理由は様々です。つま先のラインが美しくなる事を望んで、生徒も指導者達もフットストレッチャーを使ってみようかと想いを巡らすのです。

あるダンサー達にとって、フットストレッチャーを使用する事は非常に危険であり、後部インピンジメントを引き起こす事もあります。その一方で、安全に使えば問題ない場合もあります。ということで、フットストレッチャーの良い点・悪い点というタイトルでこの記事を書きました。皆さんが使用する際には正しい情報をもとに、使用するかどうかを決める事が出来ますね。

質問

リサ、相談があります。

私の生徒であり、また同時に別のバレエ教室にも通う少女が、フットストレッチャーについての私の意見を求めてきました。その別のバレエ教室の指導者は、生徒全員にフットストレッチャーを購入するように指示したようでした。この少女は12ヶ月の間に渡り使用を続け、今アキレス腱に問題が出てきて、その為にダンサー専門の理学療法士の元へ通い治療を行なっています。(この療法士は彼女がフットストレッチャーを使用している事を知りません)

彼女に返事をする前に、リサの意見が聞きたいのです。

まずは以下が私の意見です。
人間が開発した器具。足のストレッチの為に、それとも拷問の為に??

この人間の手で作られた器具を使用するかもう一度考えてから、あなたの通う理学療法士さんにアドバイスを求めましょう、とこの生徒には伝えてようと思います。

最新の医療科学の証明により、このようなストレッチの器具を使う事は足に良い影響を与えず、むしろ腱と靭帯の伸ばし過ぎ等を起こす事が分かっています。足は少し伸ばされるかもしれませんが、その過程で同時にもろくなり、怪我の引き金になったりアキレス腱炎等を悪化させてしまいます。

医療科学の研究がなされるもっと前に出てきた器具なのです。最新の研究は、この手のストレッチを擁護するものではありません。

足の甲を伸ばすベストの方法は、四つ這いになり、足はパラレルでそれぞれの足指もまっすぐにし、そこからただ足に座ってみるだけです。これは、木のフローリングの床で行うと痛む場合があるので、カーペットかマットなどの柔らかい表面の上で行うようにしましょう。これで足の甲のストレッチを安全に行う事ができますし、何もお金を払って物を買わなくても効く方法なのです。

Mより
解答

こんにちは Mさん

メールをくださって、どうもありがとう。確かに、我々は何か器具を使用して足をストレッチする事には細心の注意を払わなくてはいけません。

足のラインが生まれつき美しくないダンサーが甲の高い足に見せる為には、繰り返し優しく靭帯をストレッチする事は必要な事でもあります。しかし、それはダンサーのキャリアの中で絶対に必要な事ではなく、足の安全や健康な状態が阻害してまで優先する事では決してありません。

が上手く伸ばせていない場合には、今の少ない可動域の事は気にせずに足の強化に徹します。(足を無理やり押せば伸びるのに、実際には美しいポイントや高いルルヴェが出来ない場合)。足の強さが備われば、それと共に可動域も増えるものなのです!足のポイントの可動域を広げる時にはいつでもゆっくり行うようにして、足が安定して強くなるようにしっかりと足の解剖学(骨構造・筋肉)を頭に入れながら行わなければなりません。伸び過ぎてしまった靭帯は固有感覚受容機能(身体が空間の中で居場所を察知する感覚)が鈍ってしまうので、靭帯の伸び過ぎは望ましくありません。

フットストレッチャーに使用されている写真を思い出してもらえば分かりますが、写真のダンサー達の膝は過伸展(過度に伸長しずぎている)しています。写真のダンサー達はすでに美しい脚のラインを持っているので、特別にこれ以上フットストレッチャーで何かする必要もありません。

足をポイントでもまたフレックスでも可動域を広げたいのであれば、足の強化の特別なトレーニングを行う必要があります。踊っている時にすでに新しい可動域で練習をする事もできますね。足の可動域はあるが、固有感覚機能が働かないし強さもない場合は、足と足首の怪我の原因になりかねます。世に出回っているフットストレッチャーの違いを調査した事はありませんが、フットストレッチャーをクラスの生徒が使用している場面を見たこともありますし、私の観察から得た意見を下に述べていきます!

1、器具の使用を好まない理由は、クラス全員が同じ器具を使用した所で、クラス全員の足に必要な柔軟性トレーニングはまったく異なります。

2、ハイパーモバイル(過度可動性)の生徒がいたら、フットストレッチャーを使う事は足の前の靭帯の伸ばし過ぎに繋がるでしょうし、足が虚弱になって怪我が起こる危険性が増してしまいます。

3、靭帯をストレッチされた状態で維持すると、その靭帯の固有感覚機能の働きが鈍ります。つまり、足が空間の中でどこにあるかを察知する感覚が鈍るのです。トウシューズを履く為には、この感覚機能の働きが非常に大切です。

4、生徒の足が硬ければ、たった一つの器具で硬い足に動きを出させる事は難しく、伸びるようにはなりません。中足骨が足根骨と当たる部分や、距骨と下腿の間に動きがより必要な場合もあります。

5、今までクリニックで見てきた足首の可動域への制限は、フットストレッチャーなどでは伸ばす事の出来ない、距骨下関節の部分の骨の問題です。逆にフットストレッチャーを使うと、圧迫されて悪影響になります。

6、土踏まずのアーチの前の方をストレッチする時は、広い範囲に渡る優しいストレッチの感覚があるでしょう。痛みがあってはならないし、ただ一箇所を無理矢理ストレッチするだけでもいけません。

7、世に出回っている器具のほとんどが、ポイントの位置を強制的に訓練するもので、結果として足首の後ろの構造を圧迫してしまいます。すでに多くの生徒達が足首後側のインピンジメントを抱えていますので、フットストレッチャーで強制的につま先を伸ばしすぎる事は、症状の悪化に繋がります。

相談頂いたアキレス腱治療中の生徒さんについてですが、その症状が本当にアキレス腱炎なのかどうかを調べたほうが良いでしょう。足首の後ろに起きる症状は誤診が多く、もしその生徒がフットストレッチャーを長期に渡って使用しているのであれば、三角骨があったり、長母指屈筋腱炎後部のインピンジメントである可能性もあるでしょう。

これに関連した問題の詳しい情報は、以下のリンクを訪れてみましょう。
足首の後ろ側が痛む
後部インピンジメント
長母指屈筋腱炎
三角骨
アキレス腱炎
トリガートウ(母指に痛みが出て、ポイントで立てなくなる)

安全に足の可動性を高めて強化する方法を学びたければ、ダンサーの為のプログラムにある”上級者の為のフット・コントロール”が最適です。このプログラムでは、自分自身で足の様々な事に対処・訓練が出来るようになります。このプログラムでは、以下の内容を学習します。

・足と足首の主要な筋肉解剖学
・各筋肉の働き方、またもしも上手く働かなかった場合に起きる事は?
・足の余計な緊張をほどき、怪我を防ぐ方法
・柔軟性と可動域を高める安全なストレッチ
・個々の筋肉を個別に強化するエクササイズで、足のコントロールを良くする方法

上級者の為のフット・コントロールプログラムは、以下にあげるような足に関する様々な怪我の報告も含んでいます。

アキレス腱炎
外反母趾
疲労骨折
・前足首のインピンジメント

今回お問い合わせを頂いた指導者と生徒さんの質問に、役立つ答えになっていれば嬉しいです!

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