トウシューズを履くのは何歳になってからがよい?
私はこの質問を幾度となくされてきましたが、残念ながらはっきりとした回答をすることができません! ポイント・ワークの準備が整っているかどうかは、年齢や、ましてやクラスのレベルなどでは全く判断することができません。ポイント・ワークを安全に行えるかどうか判断する為には、数多くの大事な要素があるのです。同学年で同年齢・かつ同じスタジオで同じ回数バレエクラスを受けていても、トウシューズを履く準備が整っているかどうかには差があります。ご存知のように、骨もまだ発達段階で未成熟な12歳の少女達もいれば、その友人達はすでに成長期が完了していることもあるのです。
以下に並べたのは、トウシューズを履き始める前にチェックしておくべき要素です。
- 足の柔軟性はどの程度だろうか?柔軟すぎるのでもっと強化する必要があるのか、それとも少し硬いのでストレッチが必要なのか?
- ふくらはぎの筋肉はどのくらい強いのだろう?足首を正しい配置に保ったまま、何回ルルヴェをすることができるだろうか?
- どのくらい上手に足の小さな筋肉群を使うことができるだろうか?指先をコントロールする全ての小さな筋肉を駆使できることは、トウシューズを履き始めた時に大きな差となってでてきます。
- ターンアウトの筋肉を正しく使う事ができるだろうか? 緩みすぎや硬すぎる股関節は、トウシューズを履いた時に問題になりえます。つま先立ちになった時にはターンアウトをごまかすことができませんので、トウシューズを履き始める前から正しい使い方を習得しておくのがベストです。
- 怪我はありますか?もしも以前に怪我をした/または現在に完治していない怪我がある場合には、テクニックの不足の証拠かもしれません。
- どのくらい良いテクニックが身についてるだろうか?トウシューズで行なうことになる全てのエクササイズを、バレエシューズを履いて、または裸足で行なうことができますか?
- バランス力は良いですか?トウシューズの底はやや不安定でぐらつきがあります。ですから、トウシューズを履いて立っている時でも、良いバランス力と強靭な足首が必要なのです。
- どのくらい集中してバレエクラスを受けているだろうか?バレエの基本全てにおいて正しく行うことができている必要があります。クラスの中で注意散漫になって正しく技術を習得できなければ、それが貴方の脚を引っ張ることになるのです。
生徒達がトウシューズを履くことができる準備が整っているかの査定を長年してきて、若干10歳でも準備ができていた子供も見てきました。そして16歳になってもトウシューズを履くことをまったく勧められない例もありました。ポイント・ワークは誰でも上手にできるわけではなく、残念ながら足の構造がトウシューズに向いていない場合もあるのです。ポイント・ワークはクラシックバレエのたった一つの面にすぎません。もしもご自身にはトウシューズが向いていないのであれば、もっと他に沢山集中して取り組める面もあるのです。
